接着剤メーカーとして、間もなく半世紀
東京メトロ副都心線の西早稲田駅から歩いて数分の場所にある株式会社ヘルメチック。その社名を耳にすることはあまりありませんが、私たちが生活していく上で欠かせない、大切な役目を担っています。
ヘルメチックが主に扱っているのは、建築時の配管などに使用されるシール剤と呼ばれる業務用接着剤です。設立は1967年。間もなく半世紀を迎える老舗企業で、高度成長期の時代から日本の建築業界を支えてきたのです。
今回は都電荒川線の面影橋駅近くにある営業本部で、お話を伺いました。
「設立当初は現在のように自社で商品を製造するのではなく、買い付けた商品を卸す、商社的な機能をもった企業でした」
そう語るのは代表取締役社長の小林智彦さん。ヘルメチックという社名も、当時外国の商品を国内で製造・開発して販売しており、その商品名から取ったものだそうです。そうした中、1985年頃に大きな変化が訪れます。
「他社商品を取り扱って営業活動を行っていたわけですが、日々お客さまと接する中で既存の商品だけではご要望に応えきれないと、先代の社長は考えたのだと思います。そこでお客さまのニーズに積極的に応えていくために、自社製品の開発・製造・販売に踏み切ったんです」
小林社長が入社したのは1990年代。ヘルメチックでは、既に自社商品を中心にビジネスを展開していました。
「ただ、自社で開発をしていても他社が類似品を扱っているとなかなか売上は伸びません。ビジネスでは企業規模で勝負が決まってしまうこともあるので、自分たちならではのアドバンテージを見つけることが急務でした。そこで打ち出した方向が、『エコロジー&ハイクオリティ』だったのです」
今でこそ建築業界では、シックハウス対策や環境対策などに注目が集まっていますが、当時は「大量生産・大量消費」が当たり前の時代でした。そうした中で、配管用のシール材にも有機溶剤を使用しない商品をいち早く開発し投入するなど、環境面に配慮した高品質な商品作りをめざしたそうです。
「住まいやオフィスで過ごされる方の健康に配慮すると同時に、実際に施工を担当する建築業界の方にも安心して使っていただけるということで、高い評価を得ていると思います」
まさに先見の明があったと言えます。この「エコロジー&ハイクオリティ」という考えは脈々と受け継がれ、現在ではヘルメチックを象徴するスローガンにもなっていると言います。
日々のコミュニケーションを重視するから、会議は年に数回
接着剤メーカーとして、建築業界を中心に展開しているヘルメチックですが、どんな人材を求めているのでしょうか。
「基本的な事ですが、嘘をつかない、誠実な人ですね。ヘルメチックは創業から50年と歴史があり、長くお付き合いさせていただいているお客さまも少なくありません。そうしたお客さまとは、強い信頼関係で結ばれています。建築用のシーリング材という非常にニッチな業界なので、ほとんどの方は何も分からないところからスタートすると思います。それでも地道にコツコツ取り組んでくれるような人が理想です」
また、近年は海外から、特にアジアからの引き合いも多いそうなので、語学(英語と中国語)が堪能な方が理想、とのことでした。
「でも前向きな人なら、細かいことは気にしません。私自身も体育会系なので」と笑う小林社長。「何より、ウチは少数精鋭で事業を展開しているので、一人ひとりのマンパワーが大切になります。だから枠にはめるようなことはしたくない。その人の個性を生かして、営業活動を行ってほしいんです」
社員が少ない分、求められるのが日々のコミュニケーション。普段の何気ない会話が、ビジネスの深い話に発展することも多いそうです。
「だからヘルメチックでは会議を行わないんですよ」
え!? 会議をやらないんですか?
「会議室で会議を行うなんて、年始と期の初めの2回ぐらい。あとは、だいたいデスクでのやり取りで終わってしまいますね」
「日本の企業は無駄な会議が多い」とよく言われますが、普段のコミュニケーションを緊密に取ることで、時間を浪費せず、各自の仕事に集中できる。仕事を行う上では、理想的な環境なのではと感じました。
自分の想像とは違っていた、営業の仕事の魅力
新入社員の方にも、ヘルメチックの仕事について語ってもらいました。
湯川良祐さんは、2カ月ほど前にアルバイトから正社員に採用されたばかりの新人。現在は先輩社員の営業活動に同行したり、社内業務や倉庫管理業務などを担当しながら研修を受けている真っ最中です。
友人の紹介で、アルバイトとしてヘルメチックで働くようになった湯川さん。配送業務などを担当し2年ほど経った頃、社長に呼び出され正社員にならないかという話があったそうです。
「そのときのことは緊張しすぎてあまり覚えていないのですが、帰宅してから正社員になれた嬉しさと同時に、『自分に務まるだろうか』と少し不安になりました。今は『やるしかない』と思って、前向きに業務に取り組んでいます」
正社員になってから苦労していることはありますか?
「商品知識がまだまだ足りないと思っています。当社の商品はラインナップも多く、そのほとんどが品番のような名称なので覚えるのが大変。当然ですが、まだまだ上司のように、説得力のある説明はできないですね。それと人見知りな性格なので、お客さまと接する際は努めて前向きに話すようにしています」
正社員に登用され、新たな業務内容に一生懸命取り組んでいる湯川さん。この仕事の面白みを実感するのにはもう少し時間がかかるようですが、それでも気付いたことがあります。
「この仕事に就くまでは、営業ってお客さまのところへ行ってひたすらペコペコして、言われた通りに動くようなイメージを持っていました。たぶん、テレビドラマなどの影響だったんでしょうね。もちろん、きちんとした挨拶はビジネスの基本中の基本ですが、実際に上司と一緒にお客さまの会社へ伺うと、ご要望に沿ってこちらから提案を行うといった場面がとても多いんです。営業という仕事のイメージが、ガラリと変わりました」
営業という仕事の面白さを実感し始めた湯川さん。また「高田馬場はランチのお店も多くて、最近はローストビーフ丼がお気に入りです。また大学が近くにあるので安い定食屋さんもあり、働く環境としても気に入っています」と、仕事以外の部分の満足度も高いようです。ヘルメチックの新たな戦力としての活躍が期待されます。
その人に合った営業スタイルを見つけ、育てたい
今回、営業職を募集しているヘルメチック。そこで営業の最前線で活躍し、湯川さんの指導も担当している営業本部 次長の佐々木教至さんにもお話を伺いました。
スーツを着こなす佐々木さんは、一見して「デキる営業マン」といった雰囲気。そんな佐々木さんとはタイプの違う、ぼくとつとした印象の湯川さんは、もしかすると営業職にはそぐわないのではないでしょうか…。
「確かに配送業務担当としてアルバイトで入ってきた彼に対して、当初は営業職を担当してもらおうとは考えていなかったんですね。ただ、彼と接してみると、とても人から愛されるキャラクターだったんです。そうした部分も、営業職としては一つのアドバンテージになるはず。小林社長と話し合った上で、彼を営業職として採用しようと決めました」
なるほど、ひとくちに営業職といっても人それぞれ。そのスタイルは幅広いわけですね。
「彼を展示即売会に同行させると、お客さまからの反応もいいです。見るからに嘘のつけなそうな雰囲気なので、お客さまも質問をしやすい。実際に真面目な性格という点も、彼を採用した理由の一つなんですが。そんな彼の良さを大事にして、じっくり育てていこうと思っています。その一方で、課題もあります。彼は一度に多くの情報を詰め込むとパンクしてしまうタイプ。ただ、目的を定めれば強さを発揮するので、そうした意味でもじっくり、ゆっくり育てていこうとしています」
そんな湯川さんの良さを、研修で、たびたび実感するという佐々木さん。
「会議室を使用して商品についての指導を行っているのですが、回を重ねる毎に質問の内容も鋭くなって、的を射ていくんですね。最初は焦点が定まっていなくても、着実に吸収しているのが分かります」
地道にコツコツ。そんな湯川さんに合わせたスタイルで、佐々木さんは指導を行っていきます。研修期間も特に決めてはおらず、じっくりと育てたいのだそうです。
「小林社長も話したと思いますが、取引の長いお客さまがヘルメチックには非常に多いんですね。長い期間をかけて信頼関係を築いたお客さまに、いきなり新人を担当させることは社員にとっても荷が重いし、なによりお客さまにご迷惑がかかる可能性もある。一人前となるまでには時間がかかるかもしれませんが、少しずつヘルメチックの業務を覚えていくことで、確実な戦力になってもらうことが理想です」
「旅が好き」という人には理想的な職場かも?
佐々木さんが感じる、ヘルメチックの営業活動ならではの面白みって、どんなところにありますか?
「自分の裁量で多くのことを決められる点でしょうか。『営業というとノルマがあるのでは』と言われますが、ヘルメチックにはノルマは存在しません。ただ、各自が自分なりの目標を設定して戦略を立てた上で、営業活動を行っています。そこで求められる目標は目先の利益ではなく、安定的な利益なんです。たとえば先月100個の商品を納入したとして、今月は0個であれば、それは意味をなさない。毎月安定した売上を確保できることのほうが重要なんです」
そしてそのためには、お客さまとの信頼関係が大事、ということですね。
「おっしゃる通りです。ウチの営業活動は、言ってみればキャッチボール。最初から商品を売り込もうとすると、お客さまは壁を作ってしまう。けれども、まずはお客さまといろいろな話をしていると、何を求めておられるのかが見えてくる。そうやってお客さまが心を開いたところで最適な商品を提案するのが、弊社の営業スタイル。だからこそ、信頼関係の構築を重視するんです」
そして、意外な楽しみも営業活動にはあると佐々木さん。
「実は私、虫が好きなんですね」
はぁ…、虫、ですか?
「東京出身の私には田舎への憧れがありまして、子どもの頃から昆虫採集も好きでした。だから、将来はいろんな県に行くような仕事に就きたいと学生時代から思っていたのです。この会社の面接で地方に営業に行けると聞き、入社を決めたんです。現在は、北は東北から南は三重県辺りまで営業で回ります。地方の美味しい料理にも出会えるし、営業活動と同時に趣味も満喫できるのが嬉しいですね(笑)」
地方を巡っていると、各県ごとの水道行政の違いなども実感するそうです。
「川を渡っただけで、水道に関わる材料が大きく変わったりする。それを知るのも、この仕事の面白みです」
それにしても、営業担当地域がとても広いですね。
「だからこそ、若い社員に来てもらいたいんです。ウチは社員が少ない分、社長も出張に出ることが多いんです。出張を厭わないという人には、オススメの職場だと思いますよ」
経験を積めば自分でスケジュールを組むこともできるし、確かに旅行が好きな人、いや「出張? 任せとけ!」という人にはピッタリの仕事かもしれません。
今後は「誰もが知るヘルメチック」へ
ちなみにヘルメチックの今後の展望に関して、佐々木さんはどんなイメージを持っていますか?
「卸業者の方はもちろん社名も商品名もご存知のはずですが、実際に使用されている建築現場の方々は、商品名はご存知でも社名までは把握していないかもしれません。もちろん一般の方々は、私どもの存在さえもご存じないかと思います。社会のライフライン構築に貢献しているという意味で、自分たちの仕事の誇りを持っていますが、個人的には知名度をもう少し上げていきたいと思っています」
それは一般の人に対して、でしょうか?
「はい。ヘルメチックの商品はホームセンターなどには卸していません。しかし最近は、ご自身で自宅のリフォームをされる方も多く、当社の商品を『ホームページで見つけた』といったお声も頂戴しています。『最高品質の接着剤といえばヘルメチック』というように、多くの方に浸透していけばいいなと思いますね」
そして今後の展望に関して、小林社長は力強く応えてくれました。
「建築工法の発達によって、シーリング材の需要は徐々に減ってきています。ただ、それは以前から分かっていたこと。ヘルメチックではそうした情勢を前提に、20年以上前からさまざまな新商品を開発してきました。将来的には、より幅広い分野に挑戦していきたいと考えています」
小林社長、佐々木さん、湯川さんが語ってくれたヘルメチックの仕事には、さまざまな魅力がありました。しかし何より、その人の良さを引き出し伸ばして、じっくり育てていくという環境が、営業未経験の人にとっても安心できる会社だと感じました。
募集要項 | |
---|---|
社名 | 株式会社ヘルメチック |
住所 | 東京都新宿区西早稲田3-24-11 |
募集職種 | 営業/営業事務/営業企画(適性を考慮し決定させていただきます) |
採用対象 | 新卒/既卒・中途 |
雇用形態 | 正社員 |
給与 | 月給180,000円〜250,000円 ※勤務後の能力に応じて昇給を行います。 |
福利厚生 | ・昇給/年1回 ・賞与/年2回(業績による) ・交通費支給 ・各種社会保険完備 |
仕事内容 | 営業…商社、資材販売店、産業機器メーカーなどへの製品案内、販売を担当。 営業事務…社内にて、お客様からのお問い合わせの電話やメール対応、発送業務を担当。 営業企画…新製品案内や特定製品の案内、販売促進を担当。(展示会企画、 Webマーケティング、カタログ・メルマガ・DMの作成など) |
勤務地 | 本社営業本部 |
勤務時間 | 9:00〜18:00 |
休日休暇 | ・週休2日(土・日) ・祝日 ・夏季休暇 ・年末年始休暇 ・有給休暇 |
応募資格 | ・未経験者歓迎 ・学歴不問 ・普通自動車運転免許を持っている方 ・語学堪能な方歓迎 ・基本的なPCスキル(Excel・Word・PowerPointなど) |
求める人材像 | ・誠実な方 ・地道に行動することができる方 ・ポジティブで前向きな方 |
採用予定人数 | 数名 |
選考プロセス | まずは下記よりご応募・お問合せください ↓ 書類選考 ↓ 面接 ↓ 採用(試用期間3ヶ月あり) ・次の選考ステップに進まれる方のみご連絡させていただきます。 |
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