U29就職マッチング支援事業

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自分の手と感覚で製袋機を調整し、封筒を美しく仕上げる

オリジナル封筒作りは、挑戦の連続
それをクリアすることが仕事の醍醐味

株式会社タケダは、下落合駅から徒歩約2分。静かな住宅街のなかにあります。
昔ながらの工場といった雰囲気のタケダのビルが、住宅街にしっくりとなじんでいる風景は、どこか懐かしさを感じさせてくれます。

株式会社タケダの本社

タケダは昭和39年の創業以来、新宿区で封筒の製造を続けてきました。
タケダが作っているのは、市販されているような既製品の封筒ではありません。お客様の要望や用途にあわせて作る「別製(べっせい)封筒」と言われる、完全オリジナルの封筒です。

別製封筒とはどんなもので、どんなことに使われているのでしょうか。専務の武井幸睦さんにお聞きしました。

「別製封筒は、1mm単位でサイズを指定できますし、用紙やカタチも自由に選ぶことができます。ですから、お客様の希望にぴったり合った封筒を作ることができるんです」

例えば、切符の回数券を入れる小さな袋やお年玉を入れるぽち袋、DMや請求書、官公庁などから届く通知に使われている窓付き封筒も別製封筒の一つ。
私たちも、タケダで作られた封筒を手にしたことがあるかもしれません。

「そうですね。自分が作った封筒が自宅に届いて驚いた、という社員もいますよ」

株式会社タケダ 専務 武井幸睦氏

別製封筒は、専用の「製袋機」という機械で作られますが、微妙なサイズや糊の量などを機械オペレーターが細かく調整しなればならないため、職人としての技術が求められます。時には、腕に自信のある職人でも苦労するような依頼を受けることもあるのだとか。

「トレーシングペーパーで封筒を作りたいというオーダーもありましたね」

トレーシングペーパーは、本の装幀や薬を包む袋に使われている半透明の紙のこと。普通の紙よりも扱いが難しいため、それを封筒に加工するのは至難のワザ。他の会社が無理だと断るなか、「やってみよう」と手を上げたのがタケダでした。

「『できないと言わない』『できないなら考えよう』が社長の口ぐせでして。やってみたらキレイに仕上がったので、ホッとしました」

難しい仕事をやりとげたことが評判となり、新しい仕事も増えたと言います。

「どんな封筒にも対応できるよう、さまざまな種類の製袋機があることも弊社の特徴の一つ。なかには1年に1回しか使わないような特殊な機械もありますが、お客様の要望がある限り、処分できないんですよね」

お客様の要望に真摯に向き合ってきたことが、タケダ業界で評価され続けている理由なのかもしれません。

さまざまな製袋機が並ぶタケダの工場内風景

別製封筒は、すべてがオリジナルのため、いつも新しい挑戦の連続だと武井専務は言います。

「『どうすればできるか』を考え続けることは大変ですが、その分、できた時の喜びは大きいですね。今までなかったものを世の中に送り出すことができるのは、『作る仕事』の醍醐味だと思います」

初めて経験した封筒作りの世界
感覚で調整することの難しさを実感

封筒作りの現場では、どんな仕事をしているのでしょうか。
入社2年目の機械オペレーター、吉沢正則さんにお話を聞きました。

機械オペレーター 吉沢正則さん

以前はフリーターだったという吉沢さん。タケダに就職したきっけは、「変わった仕事がしてみたい」という、ちょっとユニークな理由だったそうです。

「漠然と自分はモノ作りの仕事が向いているかもしれないと思い、就職先を探していた時に見つけたのがタケダでした。封筒を作るって何だろう?おもしろそうだなと思ったんです」

タケダでは、基本的に機械オペレーター1人が1台の機械のオペレーションを担当し、封筒の製造を行っています。しかし、封筒製造に関する知識がまったくなかった吉沢さんが入社後に担当したのは、オペレーションではなく先輩社員の仕事のサポートでした。

「封筒を入れるための箱を作ったり、封筒の素材となる紙を運んだり…雑用ですね」

吉沢さんが担当していた仕事は、一見雑用のように見えますが、実は職人になるために必要なプロセス。箱を作りながらできあがった封筒を検品することで、不良品を見分ける感覚を身につけることができます。また紙に触れることで、紙の微妙なクセ=特性を手の感覚で覚えることができるのです。

封筒の出来具合を確認

入社して3カ月後、吉沢さんは一台の機械を担当することになりました。

「工場長や先輩から、一から丁寧に教えてもらったのですが、最初は本当に訳がわからなくて。不安を通り越して、あぜんとしてしまいました」

封筒ができるまでの工程を一つひとつ教えてもらいながら、封筒作りを覚えていく毎日。

「封筒って機械のボタンを押せばできると思っていたのですが、実際にやってみたら全然違いましたね。例えば、お客様の指定するサイズにあわせるためには、自分の感覚で機械を調整しなければなりません。機械を使うけど、人が関わる部分がすごく多いことに驚きました」

機械を調整し、いくつか見本品を作ったら工場長にチェックしてもらいます。そこでOKが出れば量産に入れるけれど、OKが出なければ、何度もやり直さなければなりません。

「何度調整してもうまくいかない時は、自分が情けなくて…。自分に対するイライラとの戦いでした。できないことは悔しい。でも、悔しいと思う気持ちが『もっと技術を磨きたい』と思う原動力にもなっています」

だから、悔しい気持ちを大切にしたい。そう吉沢さんは笑顔で話してくれました。

製袋機と吉沢さん

プロとして働く先輩たちの姿が
いい加減だった自分を変えてくれた

今は悔しい気持ちをバネに、日々技術を高めている吉沢さんですが、一度、タケダを辞めようと思ったことがあると言います。
それは、入社した年の年度末。封筒の注文が殺到した、今までで一番忙しい時期のことでした。

「みんな忙しく働いていて。僕も自分なりに一生懸命やっていたんですが、もう身体がついていかくなってしまったんです」

このままでは納期に間に合わなくなると判断した工場長が、吉沢さんの仕事をかわってくれました。

「僕ができなかったことを、工場長が完璧に仕上げてくれたんです。それを見た時、せっかくまかせてくれたのに!何をやっているんだ!という自分への怒りが爆発して、心がポッキリと折れてしまったんです」

自分の仕事を仕上げられなかったことや、会社に迷惑をかけてしまったという思いに打ちのめされていた吉沢さんを立ち直らせてくれたのは、工場長の言葉だったと言います。

「工場長が『お前、まだ入ったばっかりじゃないか。そんなに自分を責めるなよ』となぐさめてくれて。その言葉が、僕の折れた心を治してくれました」

工場長から機械の調整の仕方を学ぶ

いろいろな苦労を乗り越えてきた吉沢さんに、この仕事のやりがいについて聞いてみました。

「なかなか思い通りにいかない、難しい仕事。でも、キレイにできた時は『スゲー!キレイにできた』っていう喜びが、すごくでっかいんです」

この仕事を初めてから、自宅に届くDMの封筒が気になるようになったという吉沢さん。

「変わった封筒があった時は、分解してみたり(笑)。キレイに仕上がっている封筒を見つけた時は、自分はまだまだだなと思って落ち込んでしまうこともあります」

会社を離れてもつい封筒のことが気になるなんて、吉沢さんは本当に真面目な人なんですね。

「以前は何も考えていない、ちゃらんぽらんな人間だったんです。でもここで働くようになってから、身を引き締めていろいろなことを考えられるようになり、性格も変わりました」

自分が作っている封筒は、お客様に届くもの。だから「これでいいや」という中途半端な気持ちではダメだと思うようになったと言います。
どうして吉沢さんは、意識を変えることができたのでしょうか。

「工場長や先輩方がプロとして働く姿を見て、このままじゃダメだと痛感したんです。入社する前は、まさか自分が仕事を通して変われるとは思ってもいませんでしたけど(笑)」

出来上がった封筒を確認

吉沢さんに、これからの目標を聞いてみました。

「工場長は、まさに『職人』ですが、僕自身はまだ『機械オペレーター』だと思っています。今はまだ、目の前のことをこなすだけで精一杯ですが、いつか職人になりたいという気持ちはあります」

吉沢さんは、少しずつ、でも着実に「職人」への道を歩き始めているようです。

高い品質が求められるシビアな仕事
居心地のいい現場だから続けられる

吉沢さんの先輩であり、職人として活躍している山内孝一郎さんに、「職人の仕事」について聞いてみました。
山内さんは、食品の製造からタケダに転職して5年目。工場勤務の経験とはいえ、封筒の知識はまったくなかったと言います。

「封筒が機械で作られていることも知らなくて。職人が手作りしているのかと思っていました(笑)」

機械オペレーター 山内孝一郎さん

封筒がどのように作られるかは、あまり知られていません。かなり難しい仕事のようですが、やはり素人では無理なのでしょうかと聞くと、「いや、できますよ」という意外な答えが返ってきました。

「封筒のようなカタチにすることは、誰でもできると思います。でも、ミリ単位でサイズを調整したり、キレイなカタチに仕上げることはできません。キレイに仕上げるためには、封筒や機械の知識はもちろん、紙の特性も知らなければダメなんです」

お客様に届ける製品には、高いクオリティが求められます。そして、そのクオリティを実現するのが、職人の腕。
しかし、封筒を作るために、紙の知識も必要なのでしょうか。

「紙の種類や厚さによって、折れ方は違います。だから、紙の特性にあわせて機械を調整しなければならないんです。また、同じ紙でも空気の湿度によっても折れ方が変わるんですよ」

紙の状態を感覚でつかみ、調整しないとキレイな仕上がりにはならないのだとか。

「同じように調整しても、キレイに出ることもあれば、出ないこともある。本当にやっかいな仕事です。でも、そのやっかいなところがおもしろいんですよね(笑)」

感覚を研ぎすまさなければならない、緊張感の高い仕事だけれど、会社の雰囲気がいいから楽だと吉沢さんは言います。

「工場長は職人肌で面倒見がいい人。そのせいか、社員みんな、仲がいいんですよね。よくみんなでご飯を食べに行ったりしますし、吉沢とは地元が一緒なので、ローカルネタで盛り上がったりしています」

仕事はシビアだけれど、和気あいあいとした居心地のいい雰囲気がある。それもタケダで働く魅力の一つのようです。

休憩中の談笑

一人前の職人になるのは楽じゃない
だから一人ひとりの悩みに寄り添いたい

吉沢さんや山内さんの話に登場した「工場長」は、どんな人なのでしょうか。
若くしてタケダに入社し、叩き上げで技術を習得。32歳という若さで工場長を勤める磯野広宣さんにお話を聞きました。

工場長 磯野広宣さん

磯野工場長は、現場のスケジュール管理やマネジメントのほか、社員たちへの技術の伝承も熱心に行っています。

「自分が学んだ頃は、いわゆる『見て覚える』という時代でしたが、今はできるだけ丁寧に教えています。でも、封筒は0.1mmズレただけで、見栄えが悪くなってしまうことがあって。その微妙なズレを見つける感覚やセンスを育てるのには、時間がかかりますね」

技術や感覚を伝えていくためには時間が必要ですし、楽な道ではありません。だからこそ、社員へのサポートを大切にしていると磯野工場長は言います。

「ツラいことはたくさんあると思うんですよ。それを耐えるためには、人とのつながりが必要だと思う。だから、できるだけ一人ひとりの悩みに寄り添いたいと思っています」

元気がないように見える社員に積極的に話しかけたり、みんなを誘って食事に行くことも、磯野工場長の心遣いの一つ。

「仕事をするなら楽しく。でもなれ合う楽しさではなく、シビアな中にも喜びある仕事ができればいいと思っています」

キレイに出来上がった封筒

自分の技術や仕事を誇りに思えること。
それが職人

技術には絶対の自信を持っているという磯野工場長。そこまで技術を高められた原動力は、入社3年目の頃、社長に言われた言葉だったと言います。

「『腕をつけなさい。そうすれば誰にも文句を言われなくなるよ』と言われたんです。この言葉があったから誰よりも努力し続けることができたし、今も自分を奮い立たせてくれます」

工場長と吉沢さん

磯野工場長に、仕事のやりがいを聞いてみました。

「封筒は、大事にされるものより、消費され捨てられてしまうものの方が多いと思います。でも自分が作った封筒が、いろいろな思いをのせ、いろいろな家庭に届いているんですよね。だから自分が誇れるものを作りたいと思いますし、自分が誇れるものを世の中に出していることが、やりがいでもあります」

封筒がどう使われているのか、実際に見ることはできません。でも、使っている人のことを思うことが、大事だと磯野工場長は言います。

「この仕事はちゃんと仕上げてあたり前。だから、基本的に褒められることはないんです。人からは褒められないけれど、ちゃんとやった分、自分を褒められる仕事だと思っています」

努力が確かな技術になる。確かな技術が、自分を誇れる仕事につながる。厳しい職人の世界には、何ものにも変えがたい大きな喜びがあるようです。

株式会社タケダの工場内風景

募集要項
社名 株式会社タケダ
住所 東京都新宿区上落合1-20-4
募集職種 機械オペレ-ター
採用対象 新卒(2018年3月卒) / 既卒・中途
雇用形態 正社員
給与 180,000円~
福利厚生 精勤手当、住宅手当、社保完備、制服貸与
仕事内容 封筒加工における製造ラインの管理および調整
勤務地 東京都新宿区
勤務時間 8:30〜17:45
休日休暇 日曜、土曜(当社規定のカレンダーによる)、祝祭日
応募資格 経験・職歴は問いません
求める人材像 協調性のある方、想像力が豊かな方、体力に自信のある方
採用予定人数 3名
選考プロセス 書類選考 → 面接
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